マンションの高層階は、標準では網戸がついていないケースがほとんどです。
実際、本当に虫は来ないのでしょうか?
筆者の経験談含め、タワーマンション等の高層階の風や虫事情について、
ガーデニング合わせて考察して参ります。
※この記事は適宜内容を校正し再投稿しております。初回投稿2018年4月
目次
タワーマンション高層階の風と網戸
高層階の風事情
タワーマンションの高層階では、風が強いということが多くあります。
ただ、すべての場合というわけではなく、例えば以前筆者が住んでいたマンション高層階では、思っていたよりもずいぶん穏やかでした。
ただし、窓を開けている状態で玄関を開けると、すごい風が通り、ドア等を固定していない状態では、ドアが「バタッ」と風でしまり、建具が壊れてしまう事があるほど
その為、風が通ることによる建具破損防止も含め、室内のドアには「ドア固定金具」 がついていました。
室内を行ったり来たりすることも多く、ついつい半開きのことも多いのですが、
なるべくドアを、「都度閉める」か「ドアストッパーに固定する」かを徹底 するようにしていました。
それでも窓を開けている時に宅配便等がきたりすると、リビングのドアを開け、ついつい固定せずに応答してしまい、玄関ドアを開けたとたんにリビングのドアが風で「バタンっ」と締まり、ヒヤリとしたこともしばしばです。
高層階は標準で網戸がついていないことが通常?
マンション高層階は、標準で網戸がついていないのはなぜでしょうか
もちろん、虫の飛来が少ないといったこともあります。
また、上記のような強風の風事情もあり、高層階には通常の網戸では取付できません 。
網戸が高層階対応の特殊なものになるため、デベロッパーが販売価格を抑えるという目的で標準装備しないという事情もあります。
(落下の危険性等により、網戸禁止という場合もあります)
景観重視
また、高層階を選ぶ理由のひとつとして「景観を重視」 といった場合も多いので、
網戸がないほうがすっきりしてよいというご意見もあります。
窓を開けない場合も多い?!
これは、立地状況や周辺環境にも左右されるのですが、
近くに道路があった場合、音は上へと抜けるので、思ったよりうるさく 、騒音の為に結局窓をあまり開けないといったケースもあります。
都心のマンションの場合、どうしても近くに大きな道路があるケースが多くなります。
実際に風は強いの?
これも、実は周辺環境やお部屋や窓の向きに随分大きく左右されます。
天気予報でも「北風が吹く」とか、「南風が吹く」なんて言葉を耳にしますが、
北西側お部屋では、台風の時よりも冬場の北風のほうが強く感じた、という印象です。
私が住んでいたお部屋では風が強いだろうと覚悟して住み始めたものの、以外にもおだやかといった印象。
(ただ、窓から玄関までの風の通り道ができると、強い風が吹き抜けます)
とはいえ、個別性が強いので、同じマンションでも、お部屋の向きによっても違いますし、
また、同じ方角のお部屋でも、それぞれの立地や周辺環境によっても異なります。
地上と比べれば当然「風が強い」といったことが考えられますし、実際に風が強い場合もあります。
…筆者の場合は、高層階の時よりも戸建の時のほうが風が強いと感じたケースもあり、
それは、地形や周辺の建物・環境により、強風が吹き抜けやすいエリア等、
不動産は個別性が強いので、「一般的に」という話と、「その物件が」という話では、ずいぶんと幅があるものです。
陽当たり
ちなみに陽当たりに関して、一般的に「南向きがよい」とされていますが、
戸建などの場合は当てはまりますが、高層階となると、それとはまた違った側面があります。
高層階はどの向きも明るさがあり、北側では順光により景色もきれい (南向きだと逆光)
南向きでは、陽当たりがよすぎて、逆にデメリットと感じてしまう場合も!
南や西日はの強さは、中古の場合、フローリング等の日焼け具合を確認してみるのも一つです。
南ではなく南西や南東、北や北西・北東の御部屋の明るさ等、しっかり内見し比較検討しましょう。
高層階検討の時は南向きにこだわらずに探し、内見・検討してみるとよいでしょう。
高層階って、虫は来るの?
網戸は標準でついていないことが多い高層階ですが、実際に虫の飛来はあるのでしょうか?
昆虫やセミについて
実際に虫の飛来はかなり少なくなります。
周辺環境にもずいぶん左右されるのですが、
マンション30階近くに住んでいた時には、ベランダにセミがいたことがワンシーズンに何度かあり ました。
息絶えているのかな?と思い、拾おうとしたら、ビビビッと動いたりして、本当に驚きます!
蝉自体、高く飛ぶものなのか?、上昇気流や風に乗ってきたのか?、または、途中のベランダで休みつつ上へ上へと上がってきたのか?、詳しい理由はわかりませんが、他の昆虫のような虫も、ごくごくたまに出現します。
ただ、蝉に関しては、周辺環境に起因 することが大きいと思います。
他の都内のマンション、戸建に住んでいても、蝉の飛来はありませんでした。
蚊について
蚊は私の経験上、高層階に蚊は原則いません。
ただ、人についてきてしまう ことはあるようで、エレベーターの中にいたのを、何度か見かけたこともあります。
それで、我が家にも入ってきてしまったのか、
寝しなに、耳元で「プーン」と気づけば室内に蚊がいた!なんて経験も、ワンシーズンに何度かあります。
その他
黒光りしているあのゴキブリは、高層階というより、建物の築年数が古いほうが出やすい印象です。ご近所さん含め、周辺環境が起因するかもしれません。
とはいえ、都会でも昆虫や生物は、意外と生息しているものですね!
以前、目黒区で庭にモグラの穴や、港区のマンションのベランダにヤモリ(トカゲかも?)がいた!なんて、こともありました。(タワマンや大規模マンションではなく、小規模マンションですが)
高層階のガーデニング
高層階ガーデニングでの虫事情
戸建やマンション低層階ベランダと比べると、やはり各段に虫の飛来が少なくなります。
薔薇をメインに育てていましたが、薔薇は虫がつきやすいのですけれど、高層ベランダでは、虫が飛来して、卵を産むということがほとんどなくなり、お手入れもずいぶん楽に …♪
ただ、購入した苗や土などに、元々いたと考えられる、虫などについては、もちろんおり 、アブラムシやカイガラムシ等は発生しました。また、時期により、日差しが強く当たってしまうこともあり、ハダニに悩まされることもあります。
景色とガーデニングが一体!リビングの延長に
皆が集まることの多い、リビングに面したベランダでは、より一層ガーデニングと景色を楽しむことができます。
「夜景とガーデニング」のコラボレーションもまた、タワーマンションならではの景色かもしれませんね!
ベランダタイルとガーデニング
高層階でもベランダにタイルを敷くことは原則可能です。(マンションの構造や規約にもよります)
タイルに限りませんが、万が一、強風で飛ぶとたいへんなことになります。
でもやっぱり、リビングの延長のようにタイルを敷き詰めるととても素敵ですよね。
しかし、ガーデニングをしている場合、
「土が流れ出て落ちる」「枯れ葉が隙間に落ちる」といったことが避けられないことも事実!
タイルの下にたまってしまい、虫の温床になってしまうのでは?!という心配もあります。
我が家の場合は、悩みに悩み、ガーデニングの汚れの掃除をしたいことを優先し、
~ガーデニングをしていなくても、土埃り等で結構汚れるものですが~、
結局タイルの設置は見送りました。
ベランダガーデニングの注意点
マンションのベランダは共用部分です。
ガーデニングするには注意点もありますので、下記内容を確認しておきましょう。
管理規約・使用細則
マンションのベランダは共有部分となります。管理規約・使用細則で定められている事項は、マンションごとに異なります。下記に代表的な事項をあげますが、まずは自身住んでいるマンションの管理規約・使用細則に書かれていることが基本ですので、あらかじめ読んで確認しておくことが重要です。
また、分譲タイプのマンションの一室を賃貸している場合、例えば、管理規約上ではペット可でも、その部屋のオーナーは賃貸条件としてペット不可とするケースもあります。
管理規約・使用細則としてOK・NGなことと、賃貸契約内容上OK・NGなことが異なる場合もありますので、賃貸の場合は、契約内容もよく確認しましょう。
蹴破り戸
蹴破り戸(ベランダの隣との仕切り)の前、避難ハッチ、避難通路、などに物を置くことはできませんので、注意しましょう。
水を流すのはNG?
意外に思われるかも知れませんが、マンションのベランダで多量の水を流すことは禁止されている場合がほとんどです。基本的にはマンションのベランダは防水処理がされていないのが通常。多量の水を流すと漏水する可能性があります。
重量
大型のテラコッタや土など、意外と重量があるものです。ベランダにも耐荷重がありますので、大規模ガーデンング、また大型のコンテナなどを置きたい場合はあらかじめ確認しましょう。
安全面
その他、「手すりの高さを超えるものを置かない」など、管理規約で定められているケースがあります。また2階以上のベランダでは、ベランダの外側にプランターや鉢を設置しないほうがよいでしょう。また、台風や強風注意報のある時は、事前にロープなどで固定する、または室内に入れるなどの配慮も必要です。
ご近所トラブル、掃除
お隣へとまたは階下へとお水が流れてしまったり、枯れ葉や土などが流れる、飛んでいくことを想定し、配慮が必要です。
蹴破り戸(隣との仕切り)まわりに隙間があるケースもあります。
また、排水溝を隣と共有していることもあります。つまりがないよう、お手入れ・お掃除をきちんとしましょう。
マメ知識
ベランダとバルコニーの違いって?
ベランダとバルコニーの違いは「屋根」です。
屋根がついているものが「ベランダ」、
屋根がついてないものが「バルコニー」で建物から突き出た空間のことです。
ちなみに「ルーフバルコニー」は階下の屋根を利用した広いスペースのことを呼びます。
まとめ
住んでみないと分からないことって、多々あります。
家族構成の変化、自分の年齢の変化、趣味趣向の変化の要因によって、ニーズが変わることも!
ではどう選択したらいいのでしょうか?
やはりメリット・デメリットを知った上で選択することが一番と考えます。
とはいえ、それでも「思っていたのと違った」ということはあるわけですが。。。
100%理想通りとは、なかなかないものです。
譲れない部分(予算や機能等)と、欲しい部分(理想)の優先順位をつけ、決断することになります 。
不動産においては、その物件はひとつという特殊性から決断のスピードを求められるケースもあります。
上記の決断にプラスして、予測できないリスク(デメリット)を受け入れる覚悟を以て望めば、違ったと感じても、後悔することはないでしょう。
「人と不動産とご縁を」をモットーにみなさまの不動産のご縁結びをして参ります。
THDC-Tokyo Housing Distribution Center-
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